キミに捧ぐ、愛の唄。

それは、昨日の出来事やった。

あたしは同じクラスの川野くんに告白された。

実は、あたしはそのとき、自分が章兄のことが好きやと、自覚した。

あたしと章兄は、親同士が再婚して兄妹になった。
だから、血は繋がっていない。

やけど、この気持ちは自分の中に秘めておこうと思てた。

それは、章兄が、同じクラスの子に告白されてたから。
章兄はモテる。

かっこいいし、頭はいいし、サッカー部だから。
でも、章兄のこと好きな子は内面を見てない。

ホントは、キャーキャー言われるのが章兄は嫌いなんだ。
そんなこと知らない子たちは、キャーキャー言ってるから嫌ってる。

そんな話を章兄に聞いて、なんか嬉しくなった。
章兄のまわりにどんなかわいい子がいても、キャーキャー言うのは嫌だ、海砂の方がかわいい…。

そんなことを言ってくれた。

でも、昨日告白されてビビった。
初めて告白されたあたしは、告白される側がこんな気持ちやったんやって、初めて知った。


好きじゃなくても、告白されたら嬉しいし、ドキドキする。
章兄もこんな気持ちこんな気持ちだったのかな…??

なんて考えると、苦しくなってくる。
このとき、これが恋だって、気付いた。


答えは保留して、章兄に相談してみた。

全くの恋愛初心者だったあたしは、あたしより人生経験が豊富(?)な章兄に聞いてみることにした。

章兄に相談すると、いつになく章兄が悲しそうな顔をしてたような気がした。

そう見えたのは、あたしの気のせいかな……?