そんなこともお構い無しに
雪先輩は私の耳に口を近づけた。




「乙冬ちゃんって、

 奏が好きなの?」


「……。


 っ!?」




楽しそうに言う雪先輩に、
いきなりの質問に驚きを隠せない私。



えー!?


何でそんなこと訊いてくるのっ!?



私は、火照っていく顔で雪先輩を見る。


すると、
またにっと笑って言う。



「やっぱり?」



雪先輩には敵いません。


私は仕方なく、微妙に首を縦に振った。



「告っちゃえばいいのに」



と、あっさり難しいことを言う雪先輩。



できるわけ、ないじゃないですかっ!



と、心の奥底で思っている私。