あの日、


告白同然のことを言って以来、
私はあのときの奏先輩の返事が聞けないでいる。



別にそこまで、
奏先輩と付き合いたいわけじゃなくて。



ただ、想いが抑えきれなくなっただけだ。




1度溢れだした想いは、
消えて欲しいと願うだけ。




「乙冬ちゃん」



放課後、廊下で後ろから声をかけられて立ち止まると

雪先輩がそこにはいた。



「話したいことがあるの」



にっと笑って言った雪先輩に対して、
全然笑うことができない私。



なるべくなら、
話したくない。