私はすぐに奏先輩にツッコんだ。 「“こんなやつ”って、どういう意味ですか!」 「そのままだろ」 私は“ピアノ、ピアノ”と何度も繰り返して粘った。 そして、 結局いつも先に折れるのは奏先輩で。 「1曲だけだかんな」 そう言って、いつも弾いてくれる。 少し、色々ゴタゴタしていたけど やっと落ち着いてきた段階だ。 “いつも通り”になれば、 この想いも、 きっと他のものになりそうだから。