[3年D組]


[1時間目] 理科 ―AM:08:50―



どこにでもある学校の授業中の風景。


教師は生徒たちに背を向け黒板にチョークの音をたてて、ひたすら書き込み続ける。 


カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ


生徒たちも、受験に関係のないこの授業を真面目に受けているものは誰一人いない。


他の科目の勉強をする生徒。



居眠りをする生徒。



ひたすら携帯の画面を見つめ続ける生徒。



たわいもない話を仲間達と小声でする生徒。



教師は、それらの生徒を注意する事もせず、ただ黒板に向かうだけである。 





キンコ―ンカーンコーン♪




突然、教室内に鐘の音が響きわたる。



1時間目の終了のチャイムが鳴ると同時に教師の手が止まった。
          


教師は黒板に書き込むのをやめ、そのまま生徒達のほうを見向きもせずに、無言で教室を出ていった。



・・・どこの学校でも見られる、いつもの日常・・・