中庭のベンチに腰を下ろすと、隣に美緒も座った。 美緒はあの後から何も話さない。 「さっきは助かった!お化けはすごいな!」 『…』 美緒はぶすっとした顔のまま。 いつもみたいに“お化けじゃなくて幽霊!”って言うと思ったのに、言わない。 「美緒?」 「美緒ちゃん?」 名前を呼んでも反応無し。 何で怒ってんだ? 「美〜緒〜ちゃん!」 俺が美緒の顔の前で手を振ると… 美緒は俺をきっと睨んで 『最低』 と冷たい目で俺を見たまま言った。