暗い、暗い部屋の中。
 会議室のような、長机がコの字型に並んだ部屋。
 窓はもちろん、電灯なども一切無く、唯一あるのは真ん中にあるロウソクが一本。

 七人の影がそこにあった。

「ネロが、“法皇(ハイエロファント)”がやられましたね」

 一人の影が呟いた。声色は高く、しかし感情はこもっていない英語は女のものと思われる。

「やはりまだ時期尚早だった、というわけか?」

 今度は別の影が呟く。低く地を這うような男の声。

「“戦車(チャリオッツ)も失ってしまいましたしねぇ」

 次に口を開いたのは別の男。ロウソクの明かりに揺らめく白髪がさらりと流れる。