授業中、社会の先生の声が子守唄のように聞こえてくる。 「…で、大洲!」 まだ2ヶ月しか経っていないのに、遠慮なく私を呼び捨てにする。 「ぼーっとしているぞ」 新任のまだまだ若い だからその分、生徒のことに首をつっこむ。 「大丈夫です」 先生の顔を見ずに答えた。 私はこの宍倉先生が、苦手だ。 顔は中の上だからなのか、生徒から憧れの存在となっている。