──晴れた空に、雲がまばらに流れていく。

 広い墓地の一角に黒い服を着た人々が集まり、神父の言葉に耳を傾けていた。

 それから、長方形に掘られた穴に収められている木製の棺に、数人ずつがシャベルで土をかけていく。

 それを涙で腫らした目で見つめるライカに、参列者たちは(いたわ)りの言葉をかけて去って行った。

 参列者がすべていなくなり、小さな石碑の前にジャックとライカは二人で立ち尽くす。

「おまえ、これからどうするんだ?」

「え? どうするって?」

「仕事、続けるのか?」

 ライカはそれに答えられず、眉根を寄せてうつむいた。

「オヤジがいなきゃ、無理だよ」

「クリアの弟子になって、後を継ぐんだって言ってなかったか?」

 投げられた言葉に体を強ばらせたあと、肩をふるわせる。無理もない、意気込みだけでどうにかなる世界ではないのだから。

「オレ一人じゃ、む、無理だよ」

 震える背中をゆっくりさすると軽く二度、叩いた。