天使の拾いもの

「クリア!? そんな!?」

 崩れるように両膝をつく。腹部から溢れるように流れる血液に震えながらも、スマートフォンを取り出して救急番号にかける。

「クリア! もうすぐ来るから! しっかりして!」

 頭を抱きかかえてクリアの意識を確認する。その間も血は流れ続けていた。

「うそだろ。……嫌だ。やめてくれよ。ああ、オレのせいで、クリア」

 必死に傷口を押さえても血は止まらない。

「ラ、イカ」

 参ったな。まさか、こんなところで終わりか。これほど唐突だとは。

「だ、大丈夫。病院に行けば──っ」

 震える手が真っ赤に染まる。

「ありがとな。でも、いいんだ」

「そんな、ことっ、言うなよっ」

「悪い」

 諦めが早いと思うが、自分でも解る。これは助からない。

「ライカ。よく、聞くんだ」

 だから、いま、話さなければならない。