天使の拾いもの

「へえ。図星?」

 俺が何も言わなかったことで、弟子が育っていないと悟られてしまった。戻ってきたライカに余計なことを言わなければいいのだが、口止めしておくか。

「俺にも弟分がいるから解るが。あいつ、大丈夫なのか?」

「なに?」

 こいつ、何を言い出しやがる。

「俺には関係ないことだがよ。あんたがいなくなったあと、生きていけるのか?」

 その瞬間、迫り来る現実が俺の心臓を締め付けた。早鐘のように鳴り響く。そうだ、あいつがこのままで生きていけるとは思えない。

 俺が長生きすればいいって問題じゃない。なんだって俺は、いつも捕捉対象に気付かされるんだ。己の馬鹿さ加減に呆れ果てる。

「クリア。開けて」

 両手に荷物を抱えたライカが、運転席のセシエルに笑顔を向ける。屈託のない少年のようなライカに小さくため息をつき、車から出ると助手席のドアを開いた。

「ありがとう」

 言ってシートに腰を落とすと、嬉しそうに紙袋からハンバーガーを取り出していく。そんな様子に、セシエルも男も目を合わせて肩をすくめた。