天使の拾いもの

 
 ──さきほど男を引き渡した警察署に再び訪れ、今度は女を引き渡して建物から出ると、力なく前を歩くライカの背中を見やる。

「よくやったよ」

 つぶやいてライカの肩を軽く二度叩く。

「クリア……」

 本当に、これでよかったのかな。もやもやは消えないけれど、きっとこれでよかったんだよな。

「帰るぞ」

 振り返らずにつぶやいて車に向かう。慰めの言葉はない代わりに、セシエルの背中はいつもと同じで大きかった。

「そうだね」

 今はまだ、少し納得できないけれど。いつか、これでよかったんだと思える日がくると思いたい。

 だから、クリアみたいな立派なハンターになれるように、ずっとそばにいるんだ。

 セシエルにとっては、愚痴の一つもこぼしたいほどの呆れた考えだろう。見ているだけでハンターになれるなら、誰にだってなれる。

 何度もそれを(さと)したはずなのに、ライカには一向(いっこう)に通じていない。果たして、ライカは一人前になれるのだろうか。




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