「父親の名は?」

 満腹になり、すっかり落ち着いたところでセシエルは少年に切り出した。

「リカルド」

「母親は?」

「マリア」

 聞いて、セシエルは携帯を取り出し誰かに電話をかけ始めた。

「レンか? ちょっと頼まれてくれないか」

<どうした? 尋ね人かい?>

「ああ、ちょっと探して欲しい人がいてね」

 そのやりとりを、ライカはジッと見つめた。レンとは、ハンターたちがよく使う情報屋の一人だ。

「何か解ったら連絡してくれ」

 他にも少年から聞いた内容をレンに伝えて携帯を仕舞う。

「お前の親、探してもらうからな。見つかるまで俺といろ」

 ライカは笑顔で頷いた。



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