それから、セシエルは落ち着かない気持ちのままジャックの家に戻った。

 とんでもないものを背負わせやがってと怒りを抱きつつも、カイルの話を思い出すと気分が滅入る。

 絶対に嫌がらせだ。いや、嫌がらせで話すような内容じゃないが、カイルという人間ならやりかねないと思える。

 まあいい。不死という、とんでもない事実があるおかげで、あいつにこんな秘密があるなんて思う奴はいないだろう。

 俺はもう忘れた。そう思い込むことにした。