天使の拾いもの

「あいつがねえ」

 見定めるように、まじまじとセシエルを眺める。

 あとに続く言葉はきっと「まさか他人に話そうとするとはなあ」に違いない。そりゃそうだろう。

 ご大層な秘密のようだから。それを、ほんの数回、会っただけの奴に「話してもいい」なんて、よくも軽々しく言ったもんだ。

 しかも、女に騙されて悪者にされたあげく、無実なのに捕まえようとした奴にだ──改めて言うと、実に俺が情けなく、本当にどうしてなんだと思わざるを得ない。

 頭を抱えているセシエルを、カイルはまだじっと眺めている。

「ふむ……」

 カイルは、ベリルから任された判断に慎重になっているようだ。それはもっともだ、ベリルの持つ秘密は、もう誰一人、知る事がないだろうとカイルは考えていたのだから。

 墓まで持って行く覚悟をしていたというのに、セシエルから聞いた話に肩すかしを食らった感じになった。

 確認してみたらベリルは少ない言葉で、判断は俺に任せる的なことを言いやがるし。そんな大事なことを、俺に任せるんじゃねえよ。

 さて、話していいものかどうか──。