──聞き終わるとカイルは目を据わらせ、深く息を吐いてセシエルを見やる。
「お前。よく、あいつを誤解出来たな」
うぐっ!? と喉を詰まらせる。
「どうせ、あいつの顔がどうとかで偏見を持ったんだろう」
うぐぐっ。まったく無かった訳じゃないだけに、ぐうの音も出ない。
「仕方ないだろ。あいつの事は知らなかったんだ」
「そういう奴を狙っているからな」
そっけなく答えて、しばらくの沈黙が続く。様子を窺うカイルに、セシエルは緊張した面持ちで次の言葉を待った。
セシエルを見据える瞳は、深く心を探ろうとしている。それを隠さずに向けられる瞳の居心地の悪さに、少しずつコーヒーをすする。
「いや、あのな。無理に聞くつもりはない。俺を信用出来ないのは当然だし」
「そうだな。あいつが本当に、お前にそんなことを言ったのかわかんねえし」
ああ、やっぱりあいつ、師匠に言ってなかったのか。だったら信用なんて、される訳がない。
そう考えていると、カイルがスマートフォンを手にしてどこかにかけはじめた。
おい、まさか今、聞くつもりじゃないだろうな。
「いや、そこまでしなくても。銃を返してくれさえすればすぐに帰る」
そんなに都合良く、あいつが電話に出る訳が──
「カイルだ。いまここに流浪の天使がいるんだが」
出たのかよ! 丁度、都合付きやがって!



