「乗りたいか?」
「……うん」
口を開けて大きなジープを見上げていた少年は素直に答える。
「乗っていいぞ」
それに助手席の扉を開けて中に促すが、ライカは両親の言いつけに乗るのを躊躇った。
「よし。それじゃあ、お父さんとお母さんを俺が探してやるよ。まずは何か食べような」
「うん!」
希望が見えた少年は、目を輝かせてジープに乗り込んだ──なんだって十歳の子供があんな場所にいたのか疑問だが、ひとまずレストランに車を向かわせる。
──それから、それらしい看板を見つけて駐車場に車を駐め素直に車から降りるライカに手を差し出すと、少年はギュッとセシエルの手を握り返した。
薄汚れたドアを開き、掃除の行き届いていないテーブルに向かい合って腰を掛ける。
すると不機嫌なウエイトレスが場末のレストランらしく、客をよく見ることもなく乱暴に水を差し出した。水が出てくるだけマシだと思うことにする。
少年は、よほど喉が渇いていたのだろう。置かれた水を勢いよく飲み干した。まだ足りないようなので自分の水も渡すと、それも一気に流し込んだ。
落ち着いたところで口を開く。
「……うん」
口を開けて大きなジープを見上げていた少年は素直に答える。
「乗っていいぞ」
それに助手席の扉を開けて中に促すが、ライカは両親の言いつけに乗るのを躊躇った。
「よし。それじゃあ、お父さんとお母さんを俺が探してやるよ。まずは何か食べような」
「うん!」
希望が見えた少年は、目を輝かせてジープに乗り込んだ──なんだって十歳の子供があんな場所にいたのか疑問だが、ひとまずレストランに車を向かわせる。
──それから、それらしい看板を見つけて駐車場に車を駐め素直に車から降りるライカに手を差し出すと、少年はギュッとセシエルの手を握り返した。
薄汚れたドアを開き、掃除の行き届いていないテーブルに向かい合って腰を掛ける。
すると不機嫌なウエイトレスが場末のレストランらしく、客をよく見ることもなく乱暴に水を差し出した。水が出てくるだけマシだと思うことにする。
少年は、よほど喉が渇いていたのだろう。置かれた水を勢いよく飲み干した。まだ足りないようなので自分の水も渡すと、それも一気に流し込んだ。
落ち着いたところで口を開く。



