天使の拾いもの

「あの、ライカがトモダチを殴って、学校に呼び出されたって」

「うん?」

 事情を知っているらしい。やはりクラスメイトか。

「ああ、あれは──」

「ライカを怒らないで!」

 半ば引きつったような声に、セシエルは言葉の続きを紡がず少年を見つめた。

「ライカが助けてくれなかったら、僕は、学校に行けなくなってた」

「そうなのか」

 小柄で大人しく、内気な少年は、いつも図書室で本を読んでいた。少年は本が好きで、ただそれだけでいじめの対象になってしまった。

 もちろん、きっかけはあったのだろう。

 例えば、借りていた本を返しにいくのを見られたとか。そのとき、いじめっこの機嫌がたまたま悪かったとか。たったそれだけ──。