──それから数日は気まずい空気が流れるなか、依頼が入ってしまった。こんな状態のままライカとしばらく会えないのは辛いが、どうすればいいのか解らないのだから仕方ない。
「あのっ」
セシエルが家の前で荷物の確認と積み込みをしているとき、少年がおずおずと声を掛けてきた。色白で、いかにも体を動かすのが得意じゃないタイプだ。
「おう。どうした坊主」
残りの荷物をジープに積み込みながら、怖がらせないようにと笑顔を見せる。
「えと、その。ラ、ライカのお父……さんは」
「ああ、俺だ。ライカに用かい? すまないが、あいつは今、ジャックと買い物に行っているんだ」
ライカと同い年のようだから、クラスメイトだろうか。随分とおどおどとしている。
「ち、違います」
そのあと、言い出しにくそうに目を泳がせる。
「名前は?」
「あ、ダグラス」
「そうか。ダグ。焦らなくていい」
落ち着くように言うと、少年は深呼吸をして体の震えは収まったようだ。



