天使の拾いもの

「俺の商売道具がある」

 言ってライカを前に扉をくぐった。

 セシエルが入って直ぐにあるスイッチをONにすると裸電球が点り、薄暗さで目を細めていたライカはまぶしさに目を閉じる。

 慣れてきた頃にゆっくりと目を開き、うずたかく積まれたプラスチックケースを呆然と眺めた。

 波打つ金属の壁にはハンドガンやライフルが飾られており、セシエルの仕事を思い起こしてこの倉庫の使い方を理解する。

「すごい」

 瞳を輝かせるライカにセシエルは安堵した。

 両親が死んだ理由を考えれば、銃に嫌悪してもおかしくはない。あのときの銃とこれは、別物だとしっかり判断出来ている。

 それを確認したセシエルはライカの前に立って腰をかがめた。

「俺の仕事はとても危険なものだ。お前は俺を手伝いながら、学校にも行くんだ」

「がっこう?」

「そうだ。これでも俺だって大学は出ているんだぞ」

「そうなんだ」

 よく解らないけど、凄いんだね。