「それでな。いま捕まえた奴は悪い人間で、俺はそういう仕事をしているんだ」

「え? 悪いひとを捕まえるの?」

「そうだ。ハンターって言ってな。悪い人間を捕まえて世の中を良くするんだ。その手助けを、してくれるか?」

 実際、セシエルが捕まえる程度の数で世の中が変わる訳じゃない。それでも、自分が捕まえた奴からの被害者はいなくなる。

 何より、正義の味方が身近にいるということ。自分がその助けになれるということでライカに希望を持ってほしかった。

 幼くして親を亡くした子どもの気持ちなんて正直、俺には解らない。どれほどの哀しみが心を支配しているのか見当も付かない。

 それでも、前を向かなきゃならない。

 俺は、こいつを守りたい──セシエルは、伸ばした手を掴んだライカに決意の目を向けた。




†††