──牽引タイプのため、セシエルが運転しているときライカがトレーラーにいると直接のやり取りは出来ないが、通話器を設置しているので寂しさはなかった。
<もうすぐ着くぞ~>
「わかった!」
通信機から聞こえてきた声に大きく頷く。
二人は、数日をかけてテキサス州に戻ってきた。十日ほどしか離れていなかったのに、トレーラーの窓から見える風景はやけに懐かしかった。
少し拓けた場所にトレーラーを駐めると、敷地に建てられている家屋から四十歳を過ぎたと思われる男が出てきて近づいてくる。
ライカは男の体格の良さに警戒したが、セシエルはドアを開いて男に手を上げて挨拶を交わした。躊躇いがちにトレーラーから出てきたライカを呼んで、男を手で示す。
「こいつは俺の友人でジャックだ。しばらくこいつの土地に世話になる」
「よ、よろしくおねがい、します」
「おう。よろしくな!」
青い目で見下ろし、ブラウンの短髪はバサバサで笑いながら無骨な手を少年の頭に乗せる。
セシエルはその様子を眺めながらジープをトレーラーから外してライカの肩に手を置き、ジャックと目を合わせた。
「少し頼まれてくれるか」
「ああ。いいぜ」
「ライカ。ちょっと用事で出掛ける。ジャックに昼飯を食べさせてもらえ」
「え。うん。わかった」
不安ではあったがトレーラーを残して行くし、食べ物も貰える事で置いて行かれる訳じゃないのだと安心して了承した。



