月と太陽の恋愛関係

何となくトイレに行ってから教室に行こうと、階段の少し前でUターンした。

その時だった。


物凄いスピードで走って来る。


アイツだ。


初めは俺を見つけたから走って来て居るのだと思ったが、生憎、そうでは無いらしい。

今アイツの目に俺は入って居ない。


アイツが見ているのは階段。

そう、遅刻をしまいと必死に教室に向かおうとしていたのだ。


俺はそれを呆気にとられて眺めている。



アイツが一段目に足を置いた。

「危ねっ!」

危機一髪。

倒れかけたアイツを、俺は反射的に支えていた。


ふぅ、

一息着きたいが今はそれどころではないらしい。


肩で息をしているコイツは確実に様子が可笑しい。


風邪か、


俺は急いで保健室に走り、ベットにそっとコイツを落とした。