月と太陽の恋愛関係

「わりぃ、俺もう帰る。」

「えぇー、何でだよー。
せっかく久し振りに会ったのによー。」

「気分悪くてさ、
っつかお前には可愛くてピッチピチの女が一杯いんだろ。」

「え?
ふふ…まぁね。」

「じゃ俺帰るわ、

またな、モテ男くん。」

「もてっ…!
ふふふ…じゃなー。」


適当におだてると思い通りに動く雄舞。

「ほんっと、変わってねーな。」


気分が悪い、なんて真っ赤な嘘。

勿論アイツも気付いてた。


でも、こうやっておだてりゃ言う事を何でも聞くって言う、素晴らしい性格のお陰で俺は抜けられた。



帰り道に俺一人分の足跡が虚しく谺す。

そこでアイツの顔がよぎる。


俺見て唖然としてたっけ。



「ククク…」

そんなアイツの顔を思い浮かべると、嫌でも笑えて来た。


「俺、キモいな。」


でも、笑いは止まらない。



俺はクククと奇妙な笑い声を立てながら家に帰った。


途中、会った人皆が睨んでいたのは言うまでもない。