「おぉ!
やっぱ太陽じゃん!
俺、雄舞、

紅坂 雄舞!!
覚えてる!?」

「当たり前じゃん。」


紅坂 雄舞(アサカ ユウマ)

忘れる筈がない。


俺達が通っていた中学。

葉山(ハヤマ)私立中には“イケトリ”(通称、イケメン3)が存在していた。


メンバーは、俺と、目の前に居る、紅坂、それから山本 レイ(ヤマモト レイ)の三人。

その名の通り、学校一と言えるイケメン3人だけが集まる特別なグループだった。


とは言っても俺達はナルシストじゃない。

これは女子が勝手に作った、言わばファンクラブのようなもの。


それがいつしか学校中に広まり、イケトリが誕生した。


コイツ、紅坂 雄舞は、学校一チャラい奴で、所謂ヤンキー系男子だった。


だが、そこが良かったのか、女子からの人気も高い男だった。



「なぁ、あれから一年しか経ってねーのかー…

早ぇな!」

「おう…」

「お前、何か変わったなぁ。

女みてぇ…」

「オメェに言われたかねぇよ。」


明らかに去年よりもチャラくなっている紅坂を冷たく見ながら言った。

「でもやっぱ性格はそのまんまだな!」


俺の言った言葉のどこが嬉しかったのか、ニコニコと話す紅坂。


いい加減ウザくなってきた俺は帰ろうと歩き出した。