月と太陽の恋愛関係

いつの間にか、涙は乾いて、重なる手と手の温かさにドキドキしてた俺。


男の子と手繋ぐのは生まれて初めてで、でも何だか二宮の手はあったかくて、

そう、まるで太陽みたいで、幸せな気分になった。


そのせいか、一人俯いてニヤついてしまう。



相変わらず二宮は早足で歩くのが速かったけど、一生懸命に後を着いていった。

そう言えば二宮ってこんなに背高かったんだ。

あっ、足長いなぁ…。

髪の毛が月明かりに照らされて黒く光ってて綺麗。


なんて、歩きながら二宮の色んな所見をてたら、もっともっとニヤけてきて自分じゃどうしようもなかった。


「痛っ」

突然止まった二宮に激突して、二宮の背骨辺りに鼻を強打してしまった。

「ったく、何で止まって…」

鼻をさすりながら二宮を見ると突然俺に背を向け、しゃがんだ。

「何してんの?」

「乗れ。」

思いがけない一言に一瞬全身が固まった。


「うん。」

でも、何となく、ただただ何となくうん、と言って二宮の背中に乗った。

その瞬間グラッ、と振動がきて、俺の視線は瞬く間に高くなった。


「落ちんなよ。」

そして歩き出す二宮。



二宮の歩調に合わせた揺れがとてつもなく心地よくて、ついつい二宮の肩に顎を乗せた。