月と太陽の恋愛関係

「お前さぁ…」

「は、はいっ!」


あまりの迫力についつい、敬語になってしまう。

「そんなんで俺が助けると思ってんの?」

まぁ、その通りだよね。

ジュースと命じゃ重みが違うし…


「じゃあ…

ファミレスでどうですか?」

うん、これなら多分大丈夫。

お金足りる…よね?

頼む品数にもよるけどさ。


「お前…

アホだろ。」



「はい?」

いきなりアホって言われても…


「じ、じゃあ何が欲しいんだよ…」

「うーん…

お前のファーストキスとか?」


「ッ!!」


顔が熱く、そして赤くなっていくのが分かった。

「なっ、何で…」

気付けば二宮の整った顔がすぐそこに…

「死にてぇの?」

「わ、わわわ分かった、す、するから助けろ。」

ついつい命令口調になる。

それを鼻でクスッ、と笑う二宮。


それから、二宮は瞼を閉じた。


急に高まる鼓動。

ゆっくり、ゆっくり…


そして、



「チュッ」


静かに鳴ったリップ音。



暗闇の中にスー、っと消えた。


と、同時に再び眉間にシワが寄る、二宮。


「お前…


馬鹿か?」



「ペチッ」

次に鳴ったのは俺のおでこにヒットした、二宮のデコピン。