月と太陽の恋愛関係

「ハァ‥ハァ‥」


気付けば、屋上に来ていた。



真っ赤に輝く夕日が、辺りをオレンジ色に染め上げる。


空を見上げるとうっすらと月が見えた。


俺は体中、全部の力が抜けたようにその場にペタン、と座り込んだ。

その後を追うように、涙がポタポタこぼれ落ちる。

ただ意味もなく流れる涙に、アスファルトが黒く濡れて行った。


校庭からは野球部やサッカー部等の気合いの籠もった声が絶え間なく聞こえる。


校門からは次々と生徒が出て行くのが見えた。


そんな何時もと変わらない景色なのに、今の俺には別の世界の光景に見えた。



それもこれも、全て、


全てあいつのせいだ。



二宮太陽のせいだ。