『サー…』
心地よい風が頬をかすめ、俺は起きた。
なんだか頭が痛い。
無理やり目をこじ開け、起き上がり、そして辺りを見回す。
白、に包まれるここは一体どこなのか、
分かるまでにほんの少し時間が掛かった。
ここは、
保健室だ。
そして俺が今座っているのはベット。
薄いカーテンが風に乗ってさらさら、と揺れる。
そんな音の中で、消えてしまいそうな小さな小さな音が聞こえた。
「スー‥スー‥」
隣のベットから聞こえるのは、どうやら寝息のようだ。
俺は静かにベットから降り、隣を見ようとカーテンを少しだけ開けた。
こんなこと、周りから見ればただの変態だ。
俺も変態になるつもりなんてこれっぽっちもない。
少し躊躇ったが、結局見ている自分。
あっ‥
それを見て、声が出そうになった。
だって、そこに眠っていたのは、
二宮だったんだから。


