帰り道、
いつもの道ではなく、今朝来た道を行く。
なんとなく、
ただなんとなく、
そしてあの公園前。
俺が蹴った空き缶は誰かが拾ったのか、無くなっていた。
少し近づくとキャッキャ、と子供達の遊ぶ声が聞こえた。
夕日が沈みかけているのにも関わらず、公園内は結構な人がいて賑やかだった。
俺は近くのベンチに腰掛、その風景を眺める。
刻々と時間は過ぎて行き、1人、また1人と公園を名残惜しそうに去る子供達。
辺りはすっかり真っ暗になり、街頭が白い光を道路に落とし始めた。
もう誰も居ない公園。
俺は公園の端の方にあるブランコに腰掛、ゆっくりと揺らした。
通り過ぎる風が髪をサラサラと揺らす。
なんだか凄く懐かしい。
俺も小さいころは無邪気にこんなところで遊んでいたのに…
小さいながらも、幸せを見つけて、
毎日、毎日違った風景に心を躍らせて、
世界が眩しくて、眩しくて、
キラキラと輝いていたのに…
一体いつからだろう?
幸せなんてこれっぽっちも感じれなくなって、
毎日、毎日変わりない日々をただ過ごして、
世界を歪んだ汚いものと思うようになって…
『ポタッ』
涙の雫が足元に1つ、落ちて消えた。


