月と太陽の恋愛関係

しばらくその状態での沈黙。


2人の顔がもの凄く近い。

オマケに姫こと、二宮 太陽の表情はこれでもか、と言うほどに怖い。


これがほんとに、二宮 太陽なのか?

そう疑いたくなる程だ。


絶え間なく流れる背中の汗は、ワイシャツをジメジメと濡らしていく。

俺はゴクッ、と唾を飲み込み、沈黙を破った。


「あ、あのさ、な、なな何か用ッ?」

舌を噛みまくり、オマケに語尾が上がってしまった俺。

「クスッ」


それを笑う二宮。

その笑顔はとてつもなく冷徹で、腕に鳥肌がたった。


「まぁ、用っていったら用、かな?」

「…?痛ッ‥」


俺の腕は突然二宮に掴まれ、抵抗出来なくなった。


「何す「こんなののどこに力があんだよ。」

は?

何言ってんの?

つか痛いし…

「放せよ…」

「は?」

「放せっつってんだろうがよっ!」


俺が大声で叫ぶと、二宮の肩がほんの少しピクッ、と上がった。

その瞬間、俺は思いっきり腕を振り、今まで掴んでいた手を放した。


そこから想いっきり教室まで走った。

その後はよく覚えていない。

ただ1つ、


授業に二宮は参加しなかった。

これは俺のせいなのか?

でも、


仕方ないじゃん…