「「「キャァーーー!!!」」」


学校に着けば、いつものように黄色い悲鳴が俺の耳元で鳴り響く。


うるさくて耳を塞ぎたくなる。

だが、そんなことは出来ない。


王子なのだから。


俺はいつものように笑顔を顔に絵描き、悲鳴を上げる女子に返した。


「「キャー!!」」

再び鳴る悲鳴をくぐり抜け、やっとのことで靴箱まで辿り着いた。


靴を履き、なるべく人の居ない廊下を急ぐ。

早く教室へ、


そんなことを思っていると、通り過ぎかけた会議室から伸びた手により、俺はフラフラっと会議室の中に入ってしまった。


「何す…んだょ…」

俺を引っ張った犯人に俺は完璧に頭が真っ白になった。


だって、犯人は…

「二宮…さん…?」


自分の目を何度もこする。

錯覚なのでは?

幻覚か…?



ついでに頬もつねった。

「いたっ」

痛い、

と言うことは…コイツは二宮さん?!


俺の笑顔は確実に崩れ、引きつっていることだろう。

そんな俺を壁際まで追いやり、頬の横に手をついたと思えば、どこからだしたのか、会議室の鍵を閉めた。


「カチャ」

そんな乾いた音が響く。


あたしの背中には一筋汗が流れる。