月と太陽の恋愛関係

心の声が聞こえたんですかっ!?

驚きと、恥ずかしさで目が大きく開くのが自分でも分かった。


「は?
誰、このじいさん。

っつか、マジ帰るぞ。」

俺の腕を強引に引き、店から出ようとする二宮。

「夜月ちゃん。」


突然呼ばれ、反射的に後ろを向く俺。

と、肩を微かにビクッ、と震わせた二宮。


「その人は、夜月ちゃんの彼氏さんかい?」

そんなもの見えてはいない、と言うように俺に問い掛けるマスター。


「え、えと…。」

それに困る俺。


彼氏でも無ければ友達でもない。


ならば…

「姫と、王子です。」

「そうか、そうか。」


笑顔で納得?するマスターと、はっ?、と言うような顔の二宮。


何とも言えない不思議な空気が漂う。

だが、その空気も次のマスターの言葉によって、一気にマイナスに下がった。