「あれ?
夜月ちゃん、ご機嫌だねー、何かいい事あった?」
「んー、そうですねぇ…、見つけたんですよ。
悩みの出口。」
「そっか、それは良かった。」
今日の俺は何だかとても上機嫌。
マスターはティーカップを拭きながら苦笑している。
俺も鼻歌何か歌いながら、仕事をする。
「あっ、そうそう夜月ちゃん。」
「はい?」
「君に会いたいって人が来てるよ。」
「会いたい?」
誰だろう?
まさか、二宮?
それは有り得ないか…
じゃあ一体誰が…。
「やぁ、お久しぶり。」
「あっ、」
そう言って手をヒラヒラと振る男の人。
俺はその人に見覚えがあった。
「お客さんじゃないですかー。」
この間のあの変わった人じゃん!
「そうお客さん。
本名は麗季だけどね。
覚えてて貰ったんだから文句は言えないか。」
そう言って微笑む彼。


