月と太陽の恋愛関係

「あれ?夜月ちゃん、もう休憩いいの?」

「あっ、はい。
あの、たらこスパゲティ美味しかったです。」

「そっか、気にいって貰えて良かっよ。
よしっ!
それじゃあ午後からも頑張ろうね!」


ニコッ、と微笑むマスター。

御免なさい、本当はもう少し休んでたかったです…。


そんな思いも通じず、張り切ってコーヒーの準備をするマスター。


俺もノロノロとエプロンを着る。


さっきの人はたらこスパゲティを美味しそうに頬張っていた。

「どうしたの?夜月ちゃん。」

「あっ、いえ…

あのっ、」


聞こうか聞くまいか悩んだ末、結局聞く事にした。


気になってたら、仕事出来ないしね!


「あのお客さんってなんですか?」

「なんですか…、
そうだなぁ…、あっ、そう言えば初めて見たかも知れないねぇ。

でもどうしてそんな事聞くんだい?」

「い、いえっ、ただ気になって…。」


マスターの問い掛けにドキッ、としつつあたふた、と答える俺。


「すいませぇーん、注文いいですかぁ?」

その時、女の人の声が聞こえた。

「あっ、はい、只今。」


俺は注文を聞く為、急いでお客さんの所へ駆けた。


午後は結構混むようで、俺はそれからずっと忙しかった。


気付けばあの人も帰っていて、時刻は夕方五時半。


「お疲れ様、今日はもう帰っていいよー。」

「有難う御座いました。」


何となくお礼を言って、俺は店を後にした。