人魚の涙 ~マーメイ・ドロップ~

びゅう。

風が、僕の頬を荒々しく撫でる。




僕はいきなりの突風に目を思わず閉じ、足元にあった石で躓きそうになる。

慌てて体制を立て直し、僕は前方を行く彼女に目をやった。