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“言霊遣い”。それは、一言主の神を従属させる家の当主が始めた事だった。

“言霊師”という存在がいると知った当主は、静かに言い放った。


『愚かな…力を持つ者を集めて私に逆らう気か?馬鹿馬鹿しい。…いや…だが、理由は何であれ、面白い。
貴様の選んだ者共が、無惨に散る様を見せてやろう。一言主よ。』


初めは、ただその力を奪い、適当に人型にした式神に与えてみた。だが、“眼”の力が強すぎた為、上手く行かなかったのだ。ある時は消え失せ、ある時は暴走して制御が効かなくなる。

ならば、と、今度は適当に術で従えた人間を使ってみた。しかしこれも失敗だった。力を持てども所詮は操り人形。発する言霊を操るには、当主が全て指示しなければならなかったのだ。

そこで目を付けたのは、力を望みながらも一言主に選ばれなかった者の存在。

―――奴らに“眼”を与える代わりに、従える事が出来ないか。

―――何か大切な物を質にするのが手っ取り早い、か…?

―――大切な…



大切な、その心臓を。