Pure hearts 赤 -ケイside-

階段から見下ろすと玄関にみんなが集まっているのが見えた。


「おかえり、まなみちゃん」

「ただいま」


にぎやかなやり取り。

なんだか俺だけ置いてけぼりにされた気分になる。


そっと階段を下りると、白いコートを着たまなみの姿が目に入って……、
その横に、兄貴の姿を見つけた。


兄貴が空港まで迎えに行ったんだ。

すぐに理解して、俺はすっかり落ち込んだ。


俺に気づいたまなみが、顔をこわばらせる。

何だよ、そのあからさまな態度。


「おかえり」


ぶっきらぼうに言ったけれど、まなみから“ただいま”は返ってこなかった。


「そうだ。たまにはみんなで外食しようか」


まなみが帰ってきてよっぽど上機嫌なのか、父さんがそんなことを言いだした。


賛成! と声を上げる母さんとエミ。
そして兄貴。


「あれ? まなみは行きたくないの?」


黙りこくるまなみに兄貴がたずねる。


「え!? そんなことないよ」

「そう、よかった。――ケイは?」


突然兄貴の視線がこっちを向いたから、つい動揺した。


なんで俺まで誘うんだよ。

そりゃあ家族団らんなら当たり前かもしれないけれど。


今の状態で仲良く外食なんて、正直俺にはきつい。