Pure hearts 赤 -ケイside-

言い合いする俺たちの横に、一台の白い車が止まった。

運転席には小池の姿。

ゆっくり開いた窓の中を、俺は睨みつけた。

「え……浅田?」

俺を見て、間の抜けた声をこぼす小池。

「なあ小池。お前さー、いつから俺の兄貴と同い年になったんだよ。確かお前、俺と同じクラスだったよな?」

「いや、そ、その」

「しかも兄貴に会わせてくれるんだって?俺も一緒に連れてってくれねえ?」

「あの、えーと……」

俺たちのやりとりを、まなみはおろおろしながら見守る。

何も言い訳できない小池をさらに睨みつけると、あいつは慌ててアクセルを踏み、一目散に逃げていった。


「……」

エンジンの音が遠ざかると、いきなり静かになった。

そして辺りが完全な沈黙に包まれたとき、ふと気づいた。

俺、なんで来ちゃったんだろう。

放っておけばいいのに、なんで無意識に来てしまったんだ?

そのことに気づいたとたん、すごく気まずくなって、

「気ぃつけろよ、アホ」

それだけ言って、背中を向けた。

「あのっ、ちょっと…待って」

後ろからまなみの声が響く。

「あ……ありがとう」

予想外の言葉だった。

……やべー。
ありがとうって言われて、不覚にも嬉しくなってしまう。

顔、にやけてくるし。
胸も、なんかくすぐったい。

やばいな、俺。

「別に。たまたま見かけただけだし」

そっけなく言って、俺はその場を去った。