Pure hearts 赤 -ケイside-

まなみの肩には小池の手が置かれている。
なのに振り払おうともしないまなみ。

何だよ、それ。

小池もまなみも、ムカつく。
けど同時に、俺は自分にもムカついた。

フロントガラスに顔を押し付けて覗き見してる、こんなみっともない自分自身に。


小池は何かを言って、駐車場の方へと駆け足で去った。

残されたまなみがベンチに座ったのを見ると、俺は無意識に車から降りていた。



――パシッ。

背中を向けて座っていたまなみの頭を、軽くはたく。

あいつは大きく身体を跳ねさせて、振り向いた。

で、俺の顔を見て言った言葉がこれ。

「ぎゃっ!」

……ちょっとショック受けたし。

「“ぎゃっ!”じゃねーよ」

「こんなとこで何してんの?」

「何してんの、はお前だろ。小池と何話してたんだよ」

刺々しく言った俺の言葉に、まなみは顔をポカンとさせる。

「え……知り合い?」

うなずく俺。

そして、しどろもどろに説明を始めるまなみ。

「いや、あの、あの人が武ちゃんに会わせてくれるって……」

「は?」

「……だって、あの人、武ちゃんの同級生でしょ?」

「はあ?!」

小池が兄貴と同級生って、何だそれ。

「ってか、それでノコノコついてくお前はアホか?」

「あ、アホとは何よ」

どうやら小池は兄貴の同級生だと偽って、まなみに近づいたらしい。

小池とまなみがどうやって接点をもったのかは分からないけれど、
これだけは、はっきりと言える。

……お前、思いっきり騙されてんじゃん!