「ごめんね、ケイ。気を取り直して、ブチューっといっちゃって!」
「ぶ……っ!?」
詩織がふざけたこと言うもんだから、俺は顔から火をふいた。
「アホかお前ら! 消えろ!」
あわててまなみから体を離す俺。
それを見て、まなみが笑う。
「おい、お前まで笑うなよ」
ごめんごめん、と謝る彼女は、もうすっかりいつもの調子に戻っていた。
「……あーあ。また言いそびれた」
ため息をつく俺。
まなみがたずねた。
「何が?」
「何でもねーよ」
まったく進歩していないやり取りだ。
何だかふりだしに戻ったみたいじゃないか?
けどまあ、
今度は3段飛ばしくらいで、進んでやるけどね。