その時だった。 ヒュッという風を切る音がして猪が一瞬怯んだ。 猪の背中を見るとシルバーの鉄の矢が深々と刺さっている。しかも2本も。 猪は痛々しい雄叫びをあげるとまた森の中に消えていった。 レオルはあまりに突然のことに驚き、息を飲んだ。 「危なかったわね」