フェリアとレオルは姿を見せない猪の雄叫びを聞きながら周りを見渡した。
「こんなに霧が濃かったら戦おうにも戦えないわ」
フェリアが不満そうに声をあげた。
レオルとフェリアはお互い、背中合わせにして身構えた。
これならどの方向から来てもどちらかが対応できる。
レオルはゆっくりと腰に下げていた剣を握りしめ、引き抜いた。
さやと剣がこすれあうような音がした。
そしてレオルは剣を前に向けて再び身構えた。
剣の塚はシルバーで鈍く光っている。
刃はよく使い込んでいる様子でどんなものでも切れそうだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…