──この三年後、セシエルは十歳になる男の子のライカを拾う。

 さらに、セシエルは偶然にもカイルと出会い、ベリルの真実を知ることになる。

 その後もベリルに再会することなく、彼はこの世を去った。

 出会いから死を迎えるまでの十八年のあいだ、住む世界が違うということもあり、淡泊な性格も相まって彼は一度もベリルと会うことはなかった。

 それでも、あのときの出来事を忘れることはなく、その瞬間までベリルと共に闘ったときの高揚を思い起こしていた。

 セシエルは、確かに約束を守った。ベリルの秘密をライカにさえ話すことはなくこの世を去った。