天使という名のハンター

「師匠? 傭兵のか?」

「年老いてはいるが強さは健在だ」

 私を救い、側に居ることを許し。私の全てを知り、それを受け入れた。

「救う? 知る? なんだよ、それ」

 ベリルの言っていることが解らずに目を眇める。

「知りたければ彼に会うと良い。カイルという名だ」

「いいのか?」

「彼に委ねる」

 その言葉に躊躇いは感じられない。

 それくらいには、その師匠を信頼しているってことか。どれくらい何を抱えているのかは解らないが、俺にはそれを知る価値があるってことなのか?

 セシエルはしばらくベリルの横顔を見つめたあと、溜め息を吐いた。