天使という名のハンター

「ただほんのちょっと気になっただけだ」

 俺の勘違いでも本当でも、どっちでもいいんだよ。

 迷いながら言って直ぐ、

「いや待て」

 手を上げて考えをまとめるため瞼を閉じる──なんだって俺はこんなに知りたいと思っているんだ。

 どっちでもいいなら聞かなくたっていいじゃないか。

「悪かった。言わなくていい」

 それでも頭を抱えて唸っているセシエルを見つめ、ベリルは目を細め視線を外した。

「ノースカロライナ州のフェイエットビルに、私の師がいる」