天使という名のハンター

「七人か八人といったところだろう」

「面倒だな。もし逃げられたらどうする」

「仲間が張っている」

「何人」

「四方に二人ずつ」

 ドローンも待機していると聞いて感嘆した。とことん逃がす気がないらしい。

 抜け目なく狡猾で大胆に、容赦なく敵を追い詰めていく様子はなるほど、悪魔と捉えるに相応しいのかもしれない。そこに容姿も絡んでいるのは間違いないだろう。

「なまじ顔が良いと面倒だよな」

「なんの話だ」

「なんでもねえよ」

 しまった声に出ていたかと視線を外してしらばっくれる。どうやらこいつ(ベリル)は、自分の顔にあまり自覚がないらしい。

「二階にはあと三人か」

 一人余るな。どうしたもんか。

 などと考えていると、ベリルが十数センチほどの黒い筒状の物を取り出してハンドガンの銃身に取り付けていた。