「逃げ足だけは速い」
そして現在、住宅街にある廃ビルにミハイロヴィチたちが潜んでいるという情報を元に向かっている最中という訳だ。
「なるほどね」
「再び組織を作りかねない」
ベリルは眉を寄せ、やや低い声色でつぶやいた。
それだけは許さないといった口調だ。セシエルは傭兵の友人が少ないとはいえ、ベリルのような人間は珍しいと感心した。
セシエルの数少ない友人であるキースはベリル同様、主に救出を目的とした要請を受ける傭兵だが、自ら犯罪組織を潰しに行く傭兵というのは聞いた事がない。
ベリルからの要請は高額報酬でもあるため、キースはありがたがっていた。キースのようなフリーの傭兵は仕事を選べるぶん、補償もなければ稼ぎも仕事量次第という事になる。
そういうことで、こいつには支援者が多いのかとも納得した。同時に、妙に心が弾んだ。悪い奴じゃないという事が、どうしてこんなに嬉しいのか。
そして現在、住宅街にある廃ビルにミハイロヴィチたちが潜んでいるという情報を元に向かっている最中という訳だ。
「なるほどね」
「再び組織を作りかねない」
ベリルは眉を寄せ、やや低い声色でつぶやいた。
それだけは許さないといった口調だ。セシエルは傭兵の友人が少ないとはいえ、ベリルのような人間は珍しいと感心した。
セシエルの数少ない友人であるキースはベリル同様、主に救出を目的とした要請を受ける傭兵だが、自ら犯罪組織を潰しに行く傭兵というのは聞いた事がない。
ベリルからの要請は高額報酬でもあるため、キースはありがたがっていた。キースのようなフリーの傭兵は仕事を選べるぶん、補償もなければ稼ぎも仕事量次第という事になる。
そういうことで、こいつには支援者が多いのかとも納得した。同時に、妙に心が弾んだ。悪い奴じゃないという事が、どうしてこんなに嬉しいのか。



