天使という名のハンター

 
 依頼を承諾し、USBメモリを受け取ったセシエルは車に乗り込み小さく唸る。

「まずは、こいつの居所(いどころ)を突き止めないとな」

 写真を見つめる。

 見たところ二十代半ばくらいだろうか。金髪のショートヘアに明るい緑の瞳は切れ長で、息を呑むほどという言葉がまさにぴったりの美形だ。

 吊り上がった目尻に冷酷さが窺える。

 アメリカ人ではなさそうだが、人種までははっきりと解りそうにない。独特の目の色をしているな。殺される人間はこの瞳に恐怖を抱きながら死ぬのか。

 目を眇め、後部座席からモバイルパソコンを掴んでUSBメモリを差し込む。

「うん? ノースカロライナ? あれ? 同じ(アメリカ人)だったか」

 てっきりヨーロッパ系だと思ったんだがと小首をかしげた。