──降下するエレベーターのなかで、ベリルはセシエルを一瞥する。

「お前の車で頼みたい」

「あん? なんでだよ」

「私の車では見つかる可能性がある」

 何を言っているんだこいつと苦い顔をしつつも、俺の車なら逃げられることもないだろうと了承した。

 俺はまだこいつを信用していない。